私人間にも憲法が適用されるのか
①無関係説(無効力説)
…憲法の人権保障規定は私人には適用されない。 しかし、私人間の人権侵害を放置するものとなるという批判がある。
②直接適用説
…憲法の人権は直接私人間にも適用される。
しかし、私的自治の原則に反する恐れがある。 →私法関係を各人の自由な意思によって規律させること。
又、国家権力からの自由という人権の本質を薄めるものになるという批判がある。
③間接適用説(通説)
…私人間を規律する法律を媒介させることで間接的に憲法の効力を私人間にも適用させる。
民法90条(不法行為)の公の秩序と善良の風俗(公序良俗)に反する行為は無効とされる。
●直接適用されるもの ・投票の秘密(15条) ・奴隷的拘束・苦痛からの自由(18条) ・個人の尊厳と両性の平等(24条) ・児童酷使の禁止(27条3項) ・労働基本権(28条)
二重の基準論
(通説)司法審査は経済的自由の規制が緩やかな基準、精神的自由の規制は厳格な基準によって審査されなければならないという考え方。